「そろえる」「ととのえる」と読む日本語には、似た意味の言葉が多く存在します。
その中でも特に混同しやすいのが「整える」と「調える」。
どちらも「状態をよくする」といったニュアンスがありますが、使う場面や意味合いは異なります。
本記事では、「整える」と「調える」の正しい使い分けを解説し、ビジネス・日常・文章表現で役立つ例文を交えて徹底的に整理しました。
「整える」とは?
意味
- バラバラなものをまとめ、秩序を作る
- 不足や乱れを補い、完全な状態にする
主な使い方
- 物理的な状態や環境をきれいにする
- 体調や心を落ち着ける
- 制度や規則を整備する
例文
- 「会議室を整えて来客を迎える」
- 「心を整えて試合に臨む」
- 「法制度を整える」
👉 「整える」は“形・秩序・体裁”をきちんとするニュアンスが強い。
「調える」とは?
意味
- 具合をよくするために調整する
- バランスを取り、適切な状態にする
主な使い方
- 味や音色を調整する
- 雰囲気や気分を和らげる
- 条件や都合を整える(調整する)
例文
- 「味を調えてスープを仕上げる」
- 「琴の音色を調える」
- 「会談の条件を調える」
👉 「調える」は“バランス・調和・微調整”を意味することが多い。
「整える」と「調える」の違いを整理
| 項目 | 整える | 調える |
|---|---|---|
| ニュアンス | 秩序・形をきちんとする | バランス・調和をとる |
| よく使う対象 | 環境・心・制度 | 味・音・条件 |
| 例文 | 「生活習慣を整える」 | 「味を調える」 |
使い分けのコツ
- 目に見える環境や秩序を整理 → 整える
- 目に見えない具合やバランスを調整 → 調える
ビジネスメールでの例文
- 「社内体制を整えて、より円滑な業務運営を目指します。」
- 「契約条件を調えてから、正式にご提案いたします。」
👉 書き言葉では「整備=整える」「調整=調える」と覚えておくと便利です。
まとめ
「整える」と「調える」はどちらも「良い状態にする」ですが、
- 整える=形や秩序を正す(環境・制度・心身)
- 調える=具合を調整しバランスをとる(味・音・条件)
と覚えておくと誤用を防げます。
場面に応じて適切に使い分けることで、文章も会話もより正確で洗練された表現になります。
