近年の教育改革や大学のカリキュラムで、「学習」ではなく「学修」という言葉を耳にしたことはありませんか?
どちらも“まなぶ”という意味を持ちますが、実はそこには 学びの姿勢や能動性 に関する重要な違いが隠されています。
この記事では、『学修』と『学習』の意味や背景の違いを整理し、教育改革のキーワードとして注目される理由をわかりやすく解説します。
『学習』とは?
意味
「学習」とは、 知識や技能を身につけること を意味します。
学校教育や試験勉強など、外部から与えられた内容を学ぶときに多く使われます。
使用例
- 英単語を学習する
- 授業で歴史を学習する
- 学習意欲が高まる
ポイント
- 教師や教材からの「受け身の学び」にも使われる
- 基礎的な学び全般を幅広くカバーする言葉
『学修』とは?
意味
「学修」とは、 学んだことを自ら考え、深め、身につけること を意味します。
「修」は“修める”という字であり、主体的に学びを探求し、自分の力にする姿勢を強調します。
使用例
- 大学での学修成果
- 主体的な学修時間の確保
- 学修ポートフォリオ
ポイント
- 学んだことを自らの思考で整理・応用する
- 大学教育や自己啓発など「能動的な学び」に多用される
- 「修める=完成させる・深める」という意味を含む
『学習』と『学修』の違いを比較
| 項目 | 学習 | 学修 |
|---|---|---|
| 意味 | 知識・技能を学ぶ | 学んだことを修め、自分の力にする |
| 学びの姿勢 | 受動的でもよい | 能動的・主体的であることを重視 |
| 使用場面 | 小中高校の授業・基礎教育 | 大学教育・研究・自己啓発 |
| キーワード | 習う・覚える | 修める・深める |
教育改革における「学修」
文部科学省や大学教育では「学修成果(Learning Outcomes)」という言葉がよく使われます。
これは、学生が 主体的に学び、知識を自分のものにすること を重視する流れから生まれた表現です。
単なる「学習」ではなく「学修」という言葉を使うことで、教育現場における学びの質の転換を示しているのです。
間違えやすいケース
- 誤用例1:「小学生の学修時間」
→ 小中学校では「学習」が一般的。主体性を重視する大学以降で「学修」を使う。 - 誤用例2:「試験のために学修する」
→ 基礎的な暗記・勉強なら「学習」。学修はより深めるニュアンス。
まとめ
- 学習=知識や技能を学ぶ(受動的でも可)
- 学修=学んだことを修める(能動的で主体的)
教育改革で「学修」が注目されるのは、知識の暗記だけでなく、自ら考え行動できる力を育てることが重視されているからです。
違いを意識すれば、学びの姿勢そのものが変わってきます。
