教育実習や看護実習、インターンシップなどを終えた後に提出する「お礼状」。その冒頭にふさわしいのが時候の挨拶です。
とはいえ、「ビジネス風の表現は堅すぎないか」「学生らしく丁寧に書くにはどうすればよいか」と迷う人も多いでしょう。
この記事では、実習後のお礼状に使える時候の挨拶の例文とマナーをわかりやすく解説します。
季節別の文例、避けたいNG表現、印象を良くする結びの言葉までまとめましたので、これからお礼状を書く方はぜひ参考にしてください。
実習後のお礼状における時候の挨拶の基本
役割
- 季節感を伝えつつ、冒頭を丁寧に整える
- 相手への敬意と誠意を表す
- 本題(お礼)に入る前の「前置き」として機能
書き方のポイント
- 時候の挨拶+相手の安否を気遣う一文
- 例:「初秋の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。」
- その後に感謝の言葉を続ける
- 例:「このたびは実習の機会をいただき、誠にありがとうございました。」
- 長すぎない・簡潔にまとめる
- 時候+安否=1〜2文で十分。
季節別・お礼状に使える時候の挨拶文例
春(3月〜5月)
- 拝啓 春暖の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
- 桜花の候、皆様にはご清祥にてご活躍のことと存じます。
例文(実習お礼状冒頭)
拝啓 春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは教育実習の機会を賜り、心より御礼申し上げます。
夏(6月〜8月)
- 拝啓 向暑の候、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
- 盛夏の候、貴社いよいよご繁栄のことと拝察いたします。
例文
拝啓 盛夏の候、貴社の皆様におかれましてはますますご清祥のことと存じます。
先日の実習では大変お世話になり、厚く御礼申し上げます。
秋(9月〜11月)
- 拝啓 初秋の候、貴社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
- 錦秋の候、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
例文
拝啓 錦秋の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のことと拝察いたします。
このたびは実習におきまして貴重な学びの機会をいただき、誠にありがとうございました。
冬(12月〜2月)
- 拝啓 初冬の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 厳寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
例文
拝啓 初冬の候、貴社の皆様におかれましてはご健勝のこととお慶び申し上げます。
このたびの実習に際し、多大なるご指導を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。
実習後のお礼状にふさわしい結びの挨拶
- 「末筆ながら、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
- 「今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。」
- 「貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。」
NG表現と注意点
- 季節と合わない表現を使う
- 例:8月に「木枯らしの候」→不自然。
- 堅すぎる古風な言葉を多用
- 「小春日和の折柄」など学生には不自然な印象。
- 長い前置きで本題が遅れる
- 挨拶は1〜2文にして、早めに「お礼」を述べる。
- 感謝より時候が目立つ
- あくまで「お礼」が主。時候は添える程度で十分。
まとめ
実習後のお礼状における時候の挨拶は、季節感を添えつつ、相手を敬う気持ちを表現するための前置きです。
ポイントは「簡潔・丁寧・感謝を引き立てる」こと。
季節に合った表現を1〜2文入れ、その後すぐにお礼の言葉につなげれば、誠意のこもった文面になります。
この記事の例文を参考に、自分の体験や学びを添えてオリジナルのお礼状に仕上げてみてください。