「なぜあの人が急に元気をなくしたのだろう?」──職場でよく見かける光景です。
成果を出して周囲から信頼されている“優秀な人”ほど、ある日突然やる気を失うことがあります。
実はそこには、仕事ができる人だからこそ陥りやすい落とし穴が存在します。
本記事では、優秀な人ほどやる気をなくす5つの理由を具体的に解説し、組織としてできるサポートや本人が取り組める工夫についても紹介します。
優秀な人ほどやる気をなくす理由|5つの落とし穴
1. 仕事が集中しすぎて疲弊する
優秀な人は信頼されやすいため、自然と仕事が集まります。しかし「頼れる人」だからといって過度に負担を背負うと、疲弊してやる気を失ってしまいます。
👉 よくある状況:周囲が「この人なら大丈夫」と任せすぎる/残業や休日対応が常態化する。
2. 成果が当たり前扱いされる
優秀な人の成果は評価されにくくなりがちです。最初は賞賛されても、やがて「できて当然」という空気に。努力が認められないと、モチベーションは急速に低下します。
👉 よくある状況:目標達成しても感謝がない/昇給・昇進が伴わない。
3. 挑戦の機会が減る
仕事がスムーズにこなせるため、いつの間にか「同じことの繰り返し」に。優秀な人ほど成長意欲が高いため、新しい挑戦がないと退屈し、やる気をなくします。
👉 よくある状況:重要だが単調なルーチン業務を任され続ける/挑戦の機会が後輩に回る。
4. 周囲との温度差で孤立感を覚える
高い基準で仕事をする人ほど、周囲とのギャップを感じやすくなります。「なぜもっと効率化しないのか」「なぜ責任感を持たないのか」といった不満が募り、孤立感につながります。
👉 よくある状況:改善提案がスルーされる/チームに合わせることを強要される。
5. 評価軸が合わない
「数字だけ」「売上だけ」といった一面的な評価に疑問を感じることもあります。優秀な人ほど仕事の意義や社会的な価値に敏感なため、評価軸が合わないとモチベーションを失いがちです。
👉 よくある状況:やりがいよりも短期的な成果ばかり求められる/自分の価値観と会社の方針がずれる。
組織としてできること
- 成果をきちんと可視化・承認する仕組みを作る
- 挑戦的な仕事や新しい役割を意識的に与える
- 仕事量を適切に分散させる
- 評価軸を多角的にする(数字+行動・貢献度)
- 定期的な1on1で不満や悩みを吸い上げる
優秀な人を「放っておいても大丈夫」と思うのは危険です。適切なサポートがなければ、突然の離職につながりかねません。
本人ができるモチベーション回復の工夫
- やりたいことリストを定期的に書き出す
- 小さな挑戦を自分で設計する(資格取得・副業・社外活動など)
- 成果を記録して「見える化」し、自分で承認する
- 頼られすぎたら「NO」と言う練習をする
- 信頼できる人に気持ちを共有し、孤立を防ぐ
まとめ
優秀な人ほどやる気をなくすのは、仕事の偏り・成果の過小評価・挑戦不足・孤立感・評価軸のズレといった落とし穴に陥るからです。
組織は「できる人だから大丈夫」と放置せず、挑戦や承認の機会を意識的に与える必要があります。
本人も「小さな挑戦」「自己承認」「NOと言う勇気」で立て直すことが可能です。
やる気を失った優秀な人が再び輝けるかどうかは、環境と意識の両輪にかかっています。