みなさんは最近、海の恵みを五感でじっくりと味わうような、贅沢な時間を過ごしていますでしょうか。
今回ご紹介するのは、古くから旅人を魅了してきた「湘南江の島」でいただく、初夏から夏にかけてまさに旬を迎える大ぶりの「アワビ」を主役にした旅です。
東京から電車で片道約1時間という近さでありながら、日常をふっと忘れさせてくれる特別なひとときを、私と一緒にのぞいてみませんか?
磯の香りと、弾ける食感。五感を満たす至高の「アワビ」

網の上でパチパチと音を立てながら、磯の香りをいっぱいに含んだ湯気を立ち上げるアワビ。
お箸で持ち上げると、ずっしりとした重みを感じる約150g前後の立派なサイズです。
まずは定番の「お造り」をひとくち。
歯を押し返すような「コリッ」とした小気味よい食感のあとに、じんわりと濃厚な海の旨味が広がります。
一方で、じっくりと火を通した「蒸しアワビ」は、驚くほど「ぷりっ」と柔らか。
厚さ1.5cmほどに贅沢にカットされた身にナイフを入れると、驚くほどすんなりと刃が通ります。
口に運べば、バターのコクと磯の香りが溶け合うソテーや、香ばしい醤油の香りが鼻腔をくすぐる踊り焼きなど、和と洋の調理法によってその表情をがらりと変えるのです。
冷たい海水で身が引き締まった東北の寒冷な海のアワビに比べ、相模湾の温暖な海で育つアワビは、身がふっくらと肉厚で、噛むほどに優しい甘みが広がるのが大きな特徴なんですよ。
なぜ江の島のアワビは、こんなにも滋味深いのか
「どうして江の島のアワビは、こんなに味が濃くて美味しいのかしら」と思いますよね。
その秘密は、江の島周辺の独特な地形と海の環境にあります。
江の島周辺は、豊かな磯場(岩礁地帯)が広がっており、アワビの大好物であるアラメやカジメといった海藻が驚くほど豊富に育ちます。
さらに、箱根や丹沢の山々に降り注いだ雨が、長い年月をかけて地下を巡り、栄養をたっぷりと含んだ「湧水」となって相模湾へと流れ着くのです。
このミネラル豊富な海水と、年間を通じて比較的温暖な気候が、アワビをのびのびと、そして肉厚に育て上げます。
かつて江戸時代には、江の島詣(えのしまもうで)に訪れる旅人たちが、こぞってこの地のアワビを旅の愉しみにしていたという歴史もあるほど、昔からその美味しさは折り紙付きなのです。
迷ってしまったら。江の島で「間違いない宿」を選ぶ基準

江の島でアワビを味わう宿を選ぶとき、どこに注目すれば良いか迷ってしまいますよね。
そんなときは、ぜひ「料理長のこだわりと、過ごしたい時間」を基準にしてみてください。
アワビは火入れの加減ひとつで、食感が劇的に変わる繊細な食材です。
「和食の伝統的な技法で、素材そのものの輪郭を際立たせる宿」か、それとも「洋風のエッセンスを取り入れ、新しい美味しさを提案してくれる宿」か。
それに加えて、お食事の後に心地よい潮風を感じられる立地や、旅の疲れをじんわりと癒やしてくれる温泉の有無も大切ですよね。
あなたの心が今、いちばん「お疲れ様」を言いたがっているポイントに寄り添う宿を、一緒に選んでいきましょう。
江の島でアワビを堪能する、個性豊かな3つの名宿
それでは、私が自信を持っておすすめする、アワビ料理が自慢の宿を3軒ご紹介いたしますね。
湘南江の島 御料理旅館 恵比寿屋
江戸時代から続く伝統の味。歴史の息吹を感じる老舗
📍住所: 〒251-0036 神奈川県藤沢市江の島1-4-16
この宿の強み
創業から350年以上、江の島随一の歴史を誇る、純和風の「おもてなし」と伝統の技。
創業はなんと江戸時代。
島内に一歩足を踏み入れ、賑やかな参道を少し進んだ場所に佇むこちらの宿は、一歩館内に入ると、外の喧騒が嘘のような静けさに包まれます。
畳の清々しい香りと、どこか懐かしい木の温もりが、旅の緊張を優しく解きほぐしてくれます。
こちらの自慢は、なんと言っても目の前の相模湾から仕入れる新鮮な海の幸です。
名物の「アワビの踊り焼き」は、仲居さんが絶妙な火加減で目の前で焼き上げてくれます。
パチパチという音とともに、熱々の貝殻の上でふっくらと膨らんでいくアワビ。
約1cmの厚さに切り分けられた身は、驚くほど柔らかく、噛み締めるたびに純粋な磯の旨味とバターのコクが口いっぱいに広がります。
お風呂は、ほんのりと湯気が立ち上る大浴場で、旅の汗を流せます。
適温に保たれたお湯に肩まで浸かると、窓の外からかすかに聞こえる波の音が、心地よいBGMのように響きますよ。
👍この宿が向いている人
歴史ある落ち着いた空間で、伝統的な和食と贅沢な時間をじっくりと味わいたい方。
湘南・片瀬海岸 KKR江ノ島ニュー向洋
海辺の静寂に身を委ね、心づくしの会席に舌鼓
📍住所: 〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸1-7-23
この宿の強み
片瀬海岸まで徒歩数分。アットホームできめ細やかなサービスと、高コスパな本格会席。
江の島を対岸に望む片瀬海岸の住宅街に、ひっそりと佇む隠れ家のような宿です。
館内に流れる時間はとても穏やかで、親戚の家に帰ってきたかのような、飾らない温かさにホッと心が和みます。
こちらの料理長が手掛けるアワビ料理は、まさに芸術品。
おすすめの「アワビの酒蒸し」は、お酒の香りをほんのりと纏わせながら、弱火で数時間かけてじっくりと蒸し上げられています。
お箸で簡単に切れてしまうほどの驚きの柔らかさで、噛むたびにじゅわっと溢れる出汁の旨味に、思わず目を閉じてうっとりしてしまうはずです。
湯上がりの肌がしっとりすると評判の温泉大浴場は、40度前後の心地よい温度。
ほんのりと海の気配を含んだお湯が、日々のデスクワークで凝り固まった身体を、芯からじんわりと、優しくほどいていってくれます。
👍この宿が向いている人
喧騒を離れた静かな環境で、大切な人と気兼ねなく美味しいお料理と温泉を楽しみたい方。
江の島ホテル
モダンなスパと、洗練された「和×洋」の美食に酔いしれる宿
📍住所: 〒251-0036 神奈川県藤沢市江の島-1-3-8
この宿の強み
湘南の海を見渡す絶景スパと、アワビの魅力を新感覚で味わう洗練されたライフスタイルホテル。
江の島の島内に位置し、一歩足を踏み入れると、アロマの高貴な香りとスタイリッシュな空間が出迎えてくれます。
こちらは「大人のリゾート」を体現したかのような、洗練された雰囲気が魅力のホテルです。
こちらのディナーで提供されるアワビは、伝統の和食にとらわれない「和×洋」のハイブリッド。
肉厚なアワビを香ばしくソテーし、自家製の特製肝ソースを絡めていただく一皿は、濃厚なコクとアワビのぷりっとした弾力が、お互いの引き立て役となっています。
お皿が運ばれてきた瞬間に広がる白ワインと焦がしバターの香りが、なんとも贅沢な気分を演出してくれますよ。
そして、この宿のもう一つの主役が「江の島アイランドスパ」です。
天然温泉(加温・循環濾過)を使用した贅沢なロケーションのスパプールからは、お天気が良ければ壮大な富士山のシルエットを望むことも。
日常のすべてを忘れて、ただ移り変わる空と海の色を眺める時間は、何よりの贅沢です。
👍この宿が向いている人: スパでリフレッシュした後に、ワインを片手にモダンで洗練された美食を楽しみたいお一人様やカップル。
旅の思い出をさらに彩る、江の島の小旅行
宿をチェックアウトした後は、少し早足で江の島の頂上を目指してみてはいかがでしょうか。
参道の出店から漂う、香ばしいイカ焼きやみたらし団子の香りに誘われながら坂道を登ると、目の前がぱっと開け、群青色の相模湾が視界いっぱいに広がります。
「江の島シーキャンドル(展望灯台)」のふもとにあるお洒落なカフェで、テラス席に座り、冷たいアイスコーヒーをひとくち。
頬を撫でる潮風は少し塩気を含んでいて、遠くで聞こえるウミネコの声が「またおいで」と言ってくれているかのように優しく響きます。
あなたにぴったりの宿が見つかる一覧表
| 宿名(リンク先:楽天トラベル) | この宿が向いている人 |
| 湘南江の島 御料理旅館 恵比寿屋 | 歴史ある落ち着いた空間で、伝統的な和食と贅沢な時間をじっくりと味わいたい方。 |
| 湘南・片瀬海岸 KKR江ノ島ニュー向洋 | 喧騒を離れた静かな環境で、大切な人と気兼ねなく美味しいお料理と温泉を楽しみたい方。 |
| 江の島ホテル | スパでリフレッシュした後に、ワインを片手にモダンで洗練された美食を楽しみたいお一人様やカップル。 |

おわりに
青くきらめく昼の自然、お腹も心も満たしてくれる夜のアワビ料理、そして日々の疲れをじんわりと溶かしてくれる温泉と、江の島の静けさ。東京からすぐの場所に、こんなにも豊かな五感を満たしてくれる贅沢な旅が待っています。
次の週末は、少しだけ日常の荷物を置いて、江の島の潮風に会いに行きませんか?
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