「司会を務める」
「会社に勤める」
──どちらも“つとめる”と読みますが、漢字が違うことで意味や使い方が変わります。
日常会話では混同されがちですが、ビジネスシーンや公式な文書で誤用すると「日本語の使い方を知らない」と思われてしまうことも。
この記事では、「務める」と「勤める」の違いをわかりやすく解説し、会話や文章での正しい使い分けのポイントを紹介します。
「務める」とは?
意味
「務める」とは、 役割や任務を引き受けて果たすこと を意味します。
特定の立場や役目に関連して使われます。
使用例
- 司会を務める
- 会長を務める
- 法律家としての役割を務める
ポイント
- 役割・任務・ポジションに関連する
- 一時的・限定的な役割でも使用可能
「勤める」とは?
意味
「勤める」とは、 職場に通って働くこと を意味します。
雇用関係に基づく仕事や勤務を表す際に使います。
使用例
- 商社に勤める
- 公務員として勤める
- 地元の会社に勤めています
ポイント
- 働く場所・所属先に関する表現
- 長期的な勤務・雇用関係を表す場合に多い
「務める」と「勤める」の違いを比較
項目 | 務める | 勤める |
---|---|---|
意味 | 任務や役割を果たす | 勤務先で働く |
対象 | 司会・会長・役割 | 会社・役所・職場 |
ニュアンス | 任務的・一時的 | 職業的・継続的 |
使用場面 | イベント・役割分担・公式の場 | ビジネス・自己紹介・履歴書 |
間違えやすいケース
- 誤用例1:「会社に務めています」
→ 正しくは「会社に勤めています」。会社は“勤務先”だから。 - 誤用例2:「司会を勤めます」
→ 正しくは「司会を務めます」。これは任務を果たす場面。
まとめ
- 務める=役割・任務を果たすこと(司会・役員など)
- 勤める=勤務先で働くこと(会社・役所など)
「務める」はポジションや役割、「勤める」は職場や雇用関係に対応すると覚えておけば、誤用を防げます。
正しい使い分けで、文章も会話もスマートに見えるでしょう。