退職届を書くとき、多くの人が迷うのが──
「どんな封筒に入れればいいの?」「渡すタイミングはいつ?」という細かなマナーです。
たとえ書類の内容が完璧でも、封筒の扱いや渡し方ひとつで印象が大きく変わります。
上司や人事に丁寧な印象を与えるためには、“社会人としての基本マナー”を押さえることが大切です。
この記事では、退職届の正しい封筒の選び方・入れ方・渡し方・手書き文例までを完全解説します。
「見た目も言葉遣いもきちんとしている」と思われるためのポイントを、実例付きで紹介します。
退職届を封筒に入れる理由
封筒に入れるのは単なる形式ではなく、ビジネスマナーとしての礼儀です。
封筒に入れる目的
- 書類を清潔に保つため
→ 折れ・汚れ・しわを防ぐ。 - 相手に敬意を示すため
→ 封筒に入れて両手で渡すのは「大切に扱っています」というサイン。 - 社内文書としての体裁を整えるため
→ 会社によっては人事書類として保管されることもあります。
退職届に使う封筒の選び方
封筒は文房具店や100円ショップでも購入可能ですが、色・素材・印字などに注意が必要です。
項目 | 正しい選び方 | NG例 |
---|---|---|
色 | 白(無地) | 茶封筒、柄付き封筒 |
素材 | 二重封筒(厚手・透けない) | 薄い紙質のもの |
サイズ | B5または長形3号 | A4大封筒・小型メモ封筒 |
印字 | 何も印刷されていない無地 | 会社ロゴ・郵便番号枠あり |
💡ワンポイント
「退職願」でも「退職届」でも、封筒表面に「退職届」と明記しておくのが正式です。
手書きで中央に丁寧に書きましょう。
封筒の表と裏の書き方(手書き例)
封筒は縦書きが基本です。以下の構成で書きましょう。
表面の書き方
退職届
裏面の書き方
〒(郵便番号不要)
〇〇部〇〇課
氏名 〇〇〇〇
封の書き方例
(封を閉じた部分中央に)
〆
※ のりでしっかり閉じ、セロハンテープは使用しないのが基本マナー。
退職届の入れ方(折り方と向き)
封筒に入れるときも、折り方・向きを間違えると印象が悪くなります。
正しい入れ方
- 用紙サイズ:B5またはA4を三つ折り(横長)にする
- 折る方向:文面が内側になるように
- 封筒の向き:
→ 封筒を縦に持ったとき、書類の表面(文面の書き出し部分)が封筒の表側にくるように入れる
折り方イメージ(文章説明)
文面(表)
────────────
①下から1/3を上に折る
────────────
②上を下に重ねる
────────────
完成:文面が内側に隠れる三つ折り
これにより、封筒を開いたときに文面が正しい向きで見えるようになります。
封筒を渡すときのマナー
① 渡すタイミング
退職届は、「退職が正式に承認されたあと」に提出します。
上司に時間を取ってもらい、静かな場所で対面で渡すのが基本です。
「お忙しいところ恐れ入ります。
このたび正式に退職届を提出させていただきます。」
と一言添えて、両手で丁寧に渡しましょう。
② 封筒の向き
③ 手渡しの姿勢
【例文】退職届を渡すときの口頭フレーズ集
フォーマルな言い方
「お時間をいただきありがとうございます。
このたび、退職が正式に決まりましたので、退職届を提出させていただきます。」
柔らかく伝えたい場合
「ご多忙のところ失礼いたします。
本日、正式に退職届をお渡しさせていただきます。よろしくお願いいたします。」
一言添えると印象が良いフレーズ
「これまで本当にお世話になりました。
ご指導いただいたことを今後の仕事にも活かしてまいります。」
【手書き例】退職届の本文サンプル
退職届
私こと、一身上の都合により、
〇年〇月〇日をもって退職いたします。〇年〇月〇日
株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇〇〇 様〇〇部〇〇課
氏名 〇〇〇〇 印
書き方ポイント
【封筒+退職届】セットの正しい見た目(言葉で再現)
- 白い二重封筒に「退職届」と中央に記入
- 左下に自分の部署・名前
- 封をのり付けし、「〆」印を入れる
- 清潔感のある三つ折り書類を内側向きで封入
- 上司に両手で渡す際、「お世話になりました」と一言添える
→ この流れで提出すれば、完璧な社会人マナーです。
よくあるNG例と改善ポイント
NG行為 | 理由 | 改善方法 |
---|---|---|
茶封筒を使う | 事務書類扱いで軽く見える | 白の二重封筒に変更 |
郵送で提出 | 直接の感謝が伝わらない | 対面で渡すのが原則 |
ボールペンの色が青 | ビジネス書類は黒が基本 | 黒インクに統一 |
封筒をのりで閉じない | 開封時に中身が落ちる危険 | のりで封をして「〆」印を入れる |
テープで封をする | カジュアルな印象になる | のり・ボンドを使用 |
封筒を提出後のフォローも忘れずに
退職届を提出したあとも、最後まで誠実な対応が印象を決めます。
- 感謝の言葉を改めて伝える
→ 「お世話になりました」と一言でOK。 - 引き継ぎスケジュールを確認
→ 人事や上司に確認を取っておく。 - 社内メールで正式に退職のご挨拶
→ 最後にきちんとまとめることで、印象が良くなります。
まとめ
退職届の封筒・渡し方は、単なる形式ではなく、「あなたの誠実さ」を伝える大切なマナーです。
これらのポイントを押さえるだけで、上司や人事に「最後まできちんとした人だな」と好印象を残せます。
社会人としての最後の一礼を、美しいかたちで締めくくりましょう。