「退職願と退職届って、どう違うの?」
「どちらを出せばいいのか分からない…」
──そんな疑問を持つ人は非常に多いです。
一見どちらも“退職時に出す書類”のように見えますが、実は目的もタイミングもまったく異なります。
退職の手続きで間違えると、「マナー違反」と見なされることもあります。
この記事では、退職願と退職届の正しい違い・提出の順序・書き方のコツを徹底解説。
さらに、すぐに使える文例テンプレートも掲載しています。
退職願と退職届の違いとは?
まずは、基本となる違いを明確にしておきましょう。
以下の表を見ると一目で整理できます。
項目 | 退職願(たいしょくねがい) | 退職届(たいしょくとどけ) |
---|---|---|
意味 | 「退職をお願いする書類」 | 「退職を確定・報告する書類」 |
タイミング | 退職の意思を伝える最初の段階 | 上司・会社に承認された後 |
ニュアンス | 申請・相談 | 確定・通知 |
取り消し | 原則、可能 | 原則、不可 |
提出先 | 直属の上司(→人事) | 上司・人事部など会社指定の部署 |
使用頻度 | 民間企業で一般的 | 公務員・大企業・正式書式が必要な場合 |
🔹 簡単に言うと…
退職願を出すタイミングと手順
退職願は、退職を決意したときに上司へ提出する書類です。
ただし、いきなり渡すのではなく、まずは口頭で相談 → 了承を得て提出という流れがマナーです。
提出までの流れ
- 直属の上司に退職の意思を口頭で伝える
例:「お時間よろしいでしょうか。ご相談したいことがございます。」 - 退職日や引き継ぎ時期をすり合わせる
- 了承を得たあと、退職願を提出
退職願を出すタイミング
退職届を出すタイミングと手順
退職届は、会社が退職を承認した後に提出する正式書類です。
つまり、「辞めることが決まったあと」に出すもの。
提出までの流れ
- 退職願提出 → 承認
- 退職日・引き継ぎスケジュールの確定
- 指示を受けて退職届を提出
注意点
退職願・退職届の正しい書き方
手書きでもパソコン作成でも構いませんが、基本構成と敬語表現を守るのがマナーです。
【共通】基本構成
- 書類タイトル(中央上):「退職願」または「退職届」
- 本文(中央よりやや上):退職理由・退職日を記載
- 日付(右下):提出日
- 署名・押印(右下):自筆で署名し、認印を押す
- 宛名(右上):代表取締役など会社指定の宛先
📄 退職願の文例(テンプレート)
退職願
私こと、誠に勝手ながら一身上の都合により、
〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。〇年〇月〇日
株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇〇〇 様〇〇部〇〇課
氏名 〇〇〇〇 印
ポイント
📄 退職届の文例(テンプレート)
退職届
私こと、一身上の都合により、
〇年〇月〇日をもって退職いたします。〇年〇月〇日
株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇〇〇 様〇〇部〇〇課
氏名 〇〇〇〇 印
ポイント
手書きで作成する際の注意点
項目 | 内容 |
---|---|
用紙 | 白い無地のA4またはB5用紙(縦書き推奨) |
筆記具 | 黒のボールペンまたは万年筆 |
封筒 | 白の二重封筒(表:退職願/退職届、裏:氏名) |
折り方 | 三つ折りにして封筒に入れる |
手渡し方法 | 両手で丁寧に渡し、「お世話になりました」と添える |
パソコンで作成する場合の注意点
【シーン別】退職願・退職届の使い分け例
🧭 一般的な民間企業の場合
- 口頭で退職相談
- 退職願を提出
- 承認後に退職届を提出
🏢 大企業・官公庁の場合
👩💼 試用期間・短期退職の場合
👨🏫 公務員の場合
【例文】退職願・退職届の提出時の言い方
提出時の口頭フレーズ例
「このたび、一身上の都合により退職をお願いしたく、退職願を提出させていただきます。」
(退職届の場合)
「承認をいただきましたので、正式に退職届を提出いたします。」
上司に渡すタイミング
よくある質問Q&A
Q1:退職願を出した後にやっぱり辞めたくないと思ったら?
→ 退職願なら撤回可能。ただし、上司・人事が承認した後は難しくなるため、早めに申し出ましょう。
Q2:退職届を出した後に撤回したい場合は?
→ 原則不可能。法律上も「退職の意思表示」として有効になります。
Q3:理由欄は書く必要ありますか?
→ 「一身上の都合により」でOK。具体的な理由は書かないのが社会人のマナーです。
退職願・退職届のよくある間違い例
間違い例 | 修正例 |
---|---|
「退職を希望いたします」 | 「退職いたしたくお願い申し上げます」 |
「この会社を辞めます」 | 「一身上の都合により退職いたします」 |
「退職願」なのに「退職いたします」と書く | 文体を統一(願=お願い/届=報告) |
まとめ
退職願と退職届は似ているようで、目的と使い方がまったく異なります。
正しい順序で丁寧に提出すれば、上司にも好印象を与え、円満退職につながります。
この記事のテンプレートを参考に、誠実な言葉であなたの決意を形にしてください。
最後まで丁寧な対応が、社会人としての信頼を守る最良の方法です。
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