取引先から訃報が届き、「お別れの会」への参列や、御礼・哀悼の気持ちを伝える手紙を送る必要が生じることがあります。
しかし、ビジネスの相手に向けた手紙となると、「どのような文面がふさわしいのか」「失礼にならない書き方は?」と悩む方も多いはずです。
本記事では、取引先向けのお別れの会の手紙に使える文例や、書き方のマナー、気をつけたい表現を分かりやすく解説します。
社会人として知っておきたい礼節を押さえつつ、すぐ使える文例も豊富に紹介していますので、安心してご活用ください。
■ 取引先向け「お別れの会」の手紙を書くときの基本マナー
● お別れの会とは
お別れの会は、通夜や告別式とは異なり、よりカジュアルで参加しやすい形式の追悼式です。
企業・団体が主催するケースも多く、取引先としての参列や手紙の送付が求められる場合があります。
● 書き方の基本ポイント
取引先向けの場合、以下の要素を押さえて書くと丁寧で失礼がありません。
- 冒頭で訃報への哀悼の意を伝える
- 故人との取引関係やお世話になった点を簡潔に述べる
- 遺族・会社への励ましの言葉を添える
- 不適切な言い回し(重ね言葉・直接的な表現)は避ける
- 全体的に簡潔・丁寧な文調を意識する
● 避けるべき表現(忌み言葉)
ビジネスでは宗教を限定しない「心よりお悔やみ申し上げます」が無難です。
■ お別れの会の案内を受けた際に送る手紙の文例
● 参列する場合の文例
株式会社○○
△△様
平素より大変お世話になっております。□□株式会社の◇◇でございます。
このたびは、○○様ご逝去の知らせを頂戴し、謹んでお悔やみ申し上げます。
生前は格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。
お別れの会のご案内も頂き、誠にありがとうございます。
当日は参列のうえ、故人を偲び、ご冥福をお祈り申し上げたく存じます。
末筆ながら、皆様方におかれましてはご自愛のほどお願い申し上げます。
● 参列できない場合の文例
株式会社○○
△△様
平素よりお世話になっております。□□株式会社の◇◇でございます。
このたびは○○様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
生前は多大なるご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
お別れの会のご案内を頂戴しながら、所用のため参列がかなわず大変心苦しく存じます。
誠に勝手ながら書中をもってお悔やみ申し上げますとともに、貴社の皆様のご平安をお祈りいたします。
■ 故人に生前お世話になったことを伝える文例
○○様には、長年にわたり多大なるご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
ご厚意に報いるべく努力してまいりましたが、突然の訃報に接し、深い悲しみに包まれております。
故人には、弊社のプロジェクトにご尽力いただき、社を挙げて大変感謝しております。
その温かいお人柄とご指導を胸に、今後も誠実に業務を進めてまいる所存です。
■ お別れの会に同封する香典・供花に添える挨拶文例
● 香典に添える場合
このたびのご逝去に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
ささやかではございますが、御霊前にお供え申し上げます。
● 供花に添えるカード文例
謹んで哀悼の意を表します。
安らかなるご永眠をお祈り申し上げます。
■ 取引先へ送る手紙の構成テンプレート
ビジネスとして失礼のない構成は以下の通りです。
- 冒頭の挨拶(季節の挨拶は不要)
- 訃報への哀悼の言葉
- 故人への感謝・エピソード(簡潔に)
- お別れの会への対応(参列 or 不参加)
- 締めの言葉
● テンプレート例
このたびは突然の訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
生前は格別のお力添えを賜り、心より御礼申し上げます。
お別れの会につきましては、〜〜(参列の可否)。
末筆ながら、皆様のご健勝とご平安を心よりお祈り申し上げます。
■ 手紙を書く際の注意点とビジネスマナー
● 1. 簡潔で丁寧な文体を意識する
長すぎると読み手の負担になり、かえって失礼になることもあります。
● 2. 忌み言葉・宗教表現に注意
企業間のやり取りでは、宗教色の薄い表現が無難。
● 3. 会社としての立場を明確に
個人ではなく企業として送る場合は、
「弊社一同」「関係者一同」などを使う。
● 4. 手紙の場合は縦書きが望ましい
ビジネス書状として品があり、フォーマルさを保てます。
■ まとめ
取引先向けのお別れの会の手紙は、ビジネス上の礼節が強く求められるため、哀悼の意・感謝・配慮をバランスよく伝えることが重要です。
本記事で紹介した文例やテンプレートを使えば、相手に失礼なく、誠意ある手紙を作成することができます。
状況に合わせて適宜アレンジし、ビジネスパートナーとして丁寧な対応を心がけましょう。
