「き」と読む漢字には「機」と「器」があります。
どちらも多くの熟語や四字熟語に登場し、日常生活や学習で欠かせない重要語彙です。
しかし、「機械」と「器械」、「機能」と「器用」など、一見似た言葉でも意味や使い方には明確な違いがあります。
本記事では、「機」と「器」の意味・語源・使い方を整理し、熟語リストや四字熟語、そして中学・高校入試対策にも使える学習用まとめシートを用意しました。
正しい使い分けを身につけて、語彙力をぐんと伸ばしましょう。
「機」とは?意味と語源
- 語源:もともとは「織機(おりばた)」を意味。仕組みや働きを表す。
- 主な意味:
- 仕組み・働き(機能、機構)
- タイミング・チャンス(機会、好機)
- 局面や転機(危機、機転)
👉 抽象的・仕組みや時機を表す。
「器」とは?意味と語源
- 語源:「口」を四方に配した形から生まれ、容れ物を意味。
- 主な意味:
- 容れ物(食器、容器)
- 道具(楽器、器械)
- 才能・度量(器量、大器)
👉 具体的な道具や人物のスケールを表す。
「機」と「器」の違いまとめ
項目 | 機 | 器 |
---|---|---|
語源 | 織機(仕組み) | 容れ物 |
意味 | 仕組み・働き・時機 | 容れ物・道具・才能 |
抽象度 | 抽象的(無形) | 具体的(有形) |
例語 | 機械、機能、危機 | 器具、楽器、器量 |
熟語リスト:「機○」「器○」
「機○」
- 機械
- 機能
- 機会
- 機構
- 機転
- 危機
「器○」
- 器具
- 器械
- 食器
- 容器
- 楽器
- 器量
四字熟語での違い
- 機を含む:危機一髪、好機到来、機略縦横
- 器を含む:器用貧乏、大器晩成、小器小用
👉 「機=チャンス・仕組み」、「器=度量・才能」。
学習用まとめシート(入試対策向け)
テスト前にさっと確認できるように整理しました。
【機】
意味:仕組み・働き・タイミング
例:機械(装置)、機能(働き)、機会(チャンス)
覚え方:抽象的・無形の「動き」や「仕組み」
【器】
意味:容れ物・道具・才能
例:食器(皿)、楽器(ピアノ)、器量(人物の度量)
覚え方:具体的・形ある「もの」や「人の容量」
頻出四字熟語
- 危機一髪(大ピンチ)
- 大器晩成(大人物は成長が遅い)
- 器用貧乏(多才だが一つに秀でない)
👉 ポイント:「機=動き・時機」「器=もの・才能」で見分ける。
確認クイズ
Q1
「ピアノは音楽__です。」
- 機
- 器
👉 正解:器(楽器)
Q2
「チャンスをつかむ__会を逃すな。」
- 機
- 器
👉 正解:機(機会)
Q3
「彼は社長になる__がある。」
- 機
- 器
👉 正解:器(器量)
Q4
「産業革命で自動__が発明された。」
- 機
- 器
👉 正解:機(機械)
Q5
「__用貧乏という言葉は褒め言葉ではない。」
- 機
- 器
👉 正解:器(器用貧乏)
まとめ
- 機=仕組み・働き・時機(抽象的・無形)
- 器=容れ物・道具・才能(具体的・有形)
- 熟語や四字熟語に注目すると違いがわかりやすい。
- 入試では「機械」「器械」「危機一髪」「大器晩成」などが頻出。