「大学を中退した」
「高校を退学になった」
──どちらも“学校をやめる”という意味ですが、実は大きな違いがあります。
「中退」は自分の意思で学業を途中でやめることを指すのに対し、「退学」は学校側からの処分や制度上の離脱を含みます。
この記事では、『中退』と『退学』の違いを意味・背景・使い方から整理し、誤解なく使い分けられるようにやさしく解説します。
『中退』とは?
意味
「中退」とは、 本人の意思で学校を途中でやめること を指します。
学業を修了しないまま、自主的に退学することを意味します。
使用例
- 経済的理由で大学を中退する
- 芸能活動のため高校を中退した
- 「中卒」は義務教育修了、「高中退」は高校に通っていたが卒業していないことを示す
ポイント
- 本人の自主的判断による離脱
- ネガティブにもポジティブにも使われる
- 履歴書や経歴でよく使われる表現
『退学』とは?
意味
「退学」とは、 学校をやめること全般 を指します。
ただし文脈によっては「処分としての退学」を意味することもあります。
使用例
- 病気のため大学を退学する(自主的)
- 校則違反により退学処分を受ける(処分的)
- 親の転勤に伴い退学して転校した
ポイント
- 中立的な「学校をやめる」表現
- ただし「退学処分」という語があるため、処罰的ニュアンスが強い場面もある
- 書類や学校制度上で多用される
『中退』と『退学』の違いを比較
| 項目 | 中退 | 退学 |
|---|---|---|
| 意味 | 本人の意思で途中退学すること | 学校をやめること全般(自主的 or 処分) |
| ニュアンス | 自主的・個人的理由 | 中立的だが処分的な響きもあり |
| 使用対象 | 学業の途中離脱を強調 | 書類・制度・処分 |
| 使用例 | 大学を中退する | 規律違反で退学処分になる |
間違えやすいケース
- 誤用例1:「校則違反で高校を中退した」
→ 正しくは「退学処分になった」。中退は自主的な離脱だから。 - 誤用例2:「体調不良で大学を中退した」
→ 間違いではないが、公式書類には「退学」が使われやすい。
まとめ
- 中退=本人の意思による途中離脱(自主的)
- 退学=学校をやめること全般(自主的 or 処分)
カジュアルな会話や経歴では「中退」、公的な書類や処分の文脈では「退学」と使い分けるのが自然です。
