退職のタイミングは、社会人にとって大きな節目。
その際に欠かせないのが、上司への挨拶です。
特に「厳格な上司」「寡黙な上司」「形式を重んじる上司」などに対しては、どんな言葉を選べばいいのか悩む人も多いでしょう。
感謝を伝えたいけれど、馴れ馴れしくなりすぎるのも避けたい…。一方で、あまりに形式的だと“気持ちがこもっていない”と受け取られることもあります。
この記事では、退職時に上司へ好印象を与える挨拶文の書き方・伝え方・テンプレート集を紹介します。
ビジネスメール・口頭・手紙など、状況別に使える文例を掲載し、厳格な上司にも失礼なく、しっかりと感謝が伝わる言葉選びのコツを徹底解説します。
退職時の上司への挨拶の基本マナー
退職時の挨拶で最も大切なのは、誠意と感謝を明確に伝えることです。
どんなに厳しい上司でも、最後の挨拶で丁寧な言葉をもらえると好印象を持ちます。
挨拶の基本構成(3ステップ)
- 感謝の言葉
- 「これまでご指導いただきありがとうございました」など。
- 学んだことや印象に残ったこと
- 「仕事への向き合い方を学びました」「丁寧なご指導を通じて成長できました」など。
- 今後への前向きな言葉
- 「教えていただいたことを次の職場でも活かします」「新しい環境でも精一杯頑張ります」。
この3つの流れを押さえるだけで、形式的になりすぎず、感情的にもなりすぎない“ちょうどいい挨拶”になります。
厳格な上司にも好印象を与える言葉選びのコツ
厳格な上司ほど、「礼儀」や「敬意」を重んじる傾向があります。
そのため、フランクな表現よりも、誠実で控えめな表現を選ぶことが大切です。
✅ 言葉選びのポイント
意図 | 避けたい言葉 | おすすめの表現 |
---|---|---|
感謝を伝える | 「お世話になりました」だけ | 「長きにわたりご指導賜り、心より感謝申し上げます」 |
成長を伝える | 「勉強になりました」 | 「○○様のご指導のおかげで、仕事への姿勢を学ばせていただきました」 |
今後を語る | 「次も頑張ります」 | 「教えていただいたことを胸に、次の職場でも努力を重ねてまいります」 |
❌ NG表現例
💡 コツ
敬語を過剰に使いすぎると堅苦しくなります。
「感謝+学び+未来への抱負」の3点を意識すれば、自然で上品な印象を与えられます。
【シーン別】上司への退職挨拶文テンプレート集
退職時の挨拶は、口頭・メール・手紙の3パターンが一般的です。
それぞれの状況に合ったテンプレートを紹介します。
① 直接伝える口頭挨拶(最終出社日)
上司へ直接伝える際は、短くても誠意が伝わる内容に。
笑顔と姿勢も大切です。
「○○課長、これまで大変お世話になりました。
入社当初からご指導いただき、多くのことを学ばせていただきました。
教えていただいたことを糧に、次の職場でも精一杯努力いたします。
本当にありがとうございました。」
上司の前では、感情的になりすぎず「感謝と敬意」をメインに。
② 社内メールでの退職挨拶(正式文)
上司宛に個別で送る場合、フォーマルな文体を意識しましょう。
件名:ご挨拶(退職のご報告)
○○部長
突然のご連絡にて失礼いたします。
私、○月○日をもちまして退職することとなりました。
在職中は、○○部長に多大なるご指導を賜り、心より御礼申し上げます。
厳しいながらも温かいお言葉に何度も励まされ、社会人として大きく成長することができました。
これまでにいただいたご助言を胸に、新しい環境でも努力してまいります。
改めて、長い間本当にありがとうございました。
○○(自分の名前)
ポイント:
③ 手紙・メッセージカードの場合(形式を重んじる上司向け)
形式に厳しい上司には、手書きの手紙が最も効果的。
フォーマルでありながら、誠実な気持ちを込めた文章にしましょう。
○○部長
長い間大変お世話になりました。
入社以来、数多くのご指導を賜り、心より感謝申し上げます。
○○部長のもとで学んだことは、今後の社会人生活の糧となる大切な財産です。厳しくも温かいご指導に支えられ、ここまで成長することができました。
新たな職場でも、この経験を活かして努力を重ねてまいります。これまで本当にありがとうございました。
○○(自分の名前)
④ 転職先が決まっている場合の言い方
転職が理由の場合でも、退職理由を詳しく述べる必要はありません。
感謝を中心にまとめるのが鉄則です。
「次の職場でも、○○部長の教えを忘れず努力してまいります。」
「これまでのご指導が、今後の糧となります。」
など、前向きな一文で締めると好印象です。
上司への退職挨拶でやってはいけない3つのNG行動
厳格な上司ほど、「礼節」に敏感。
マナー違反になりがちな行動は避けましょう。
❌ 1. メールのみで済ませる
上司には直接挨拶+メールのフォローが基本。
口頭での感謝があると印象が大きく変わります。
❌ 2. 退職理由を詳しく話す
「人間関係が理由」「給料が安かった」などの説明は不要。
ポジティブな表現にとどめましょう。
→「新しい分野に挑戦するため」などが無難です。
❌ 3. 感情的な言葉を使う
涙ながらの挨拶や「寂しくなります」といった表現は、
厳格な上司にとっては“感情的すぎる”印象になることも。
ビジネスの場では冷静で誠実なトーンを保ちましょう。
【補足】送別会での挨拶例(上司が同席する場合)
送別会では、形式ばらずに感謝を述べるのがポイント。
時間は1分以内が理想です。
「本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。
○○部長をはじめ、皆さまには多くのご指導をいただき、感謝しております。
至らない点も多かった私を支えてくださり、本当にありがとうございました。
教えていただいたことを忘れず、次の場所でも精進してまいります。」
さらに詳しくはこちらの記事で
💡送別会での退職スピーチ例文集|上司・同僚・後輩向け原稿テンプレ
まとめ
退職時の上司への挨拶は、社会人として最後に残る印象を決める大切な瞬間です。
厳格な上司であっても、誠実で感謝のこもった言葉を選べば、好印象を持って送り出してくれるでしょう。
「感謝 → 学び → 未来への抱負」の3構成を意識すれば、どんな状況でも失礼のない挨拶が可能です。
この記事のテンプレートを参考に、あなたの気持ちを丁寧に言葉にしてみてください。
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