大切な家族を病気で亡くしたとき、喪主としての挨拶には特別な気遣いが求められます。
家族葬は少人数で行われるため、形式ばった言葉よりも、故人の闘病を支えてくれた人々への感謝や最後まで共に過ごした時間の尊さを伝えることが大切です。
しかし、病気の詳細を語りすぎるのは参列者に重い印象を与えてしまうため注意が必要です。
本記事では、病気で他界された方の家族葬にふさわしい喪主挨拶の例文と注意点を紹介します。
病気で他界された場合の挨拶が難しい理由
病気で亡くなられた場合、喪主挨拶で以下の点に迷いやすくなります。
- 病名や闘病についてどこまで触れるか
- 参列者への感謝と悲しみのバランス
- 「苦しみから解放された」という言葉の是非
参列者には親族や親しい友人が多いため、詳細に語る必要はなく、感謝を中心に簡潔にまとめることが重要です。
喪主挨拶の基本構成(病気で他界されたケース)
一般的な構成に加えて、病気での逝去ならではの配慮を盛り込みます。
- 参列への感謝
「本日はご多用の中、◯◯のためにお集まりいただきありがとうございます」 - 闘病を支えてくれた感謝
「生前は闘病中、多くの方に支えていただきました」 - 故人への思い・今後のお願い
「皆様のお力添えのおかげで、故人も安らかに旅立てたと思います。今後とも変わらぬお付き合いをお願いいたします」
病気で他界された方への喪主挨拶【例文集】
通夜・葬儀での挨拶例
- 「本日は故人◯◯のためにご参列いただき、誠にありがとうございます。闘病中は多くの方に励ましをいただき、家族一同心より感謝しております。」
- 「長い闘病の末、◯◯は静かに旅立ちました。皆様のお心遣いに見守られ、安らかに逝けたことと思います。」
火葬場・収骨後の挨拶例
- 「最後までお見送りいただき、本当にありがとうございました。闘病を支えてくださった皆様の思いに深く感謝申し上げます。」
- 「病と向き合いながらも、故人は皆様に支えられ、安らかに旅立つことができました。」
精進落としでの挨拶例
- 「本日は最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。ささやかな食事ですが、故人を偲びながら召し上がっていただければ幸いです。」
- 「闘病を共に見守っていただいた皆様に、あらためて感謝申し上げます。これからも遺族を温かく見守っていただければ幸いです。」
宗教別の表現(病気での逝去にふさわしい言葉)
仏式の場合
「長い闘病の末、◯◯は安らかに仏の御元へ旅立ちました。皆様のお支えに深く感謝申し上げます。」
神道の場合
「病を得て静かに御霊となりましたが、多くの方に見守られ、安らかに神の御許へと旅立ちました。」
キリスト教の場合
「闘病を続けながらも、◯◯は神の愛に包まれながら召されました。皆様のお祈りに心より感謝申し上げます。」
→ 宗教ごとに**「旅立つ表現」**を調整することが大切です。
英語での喪主挨拶(国際的な場面向け)
病気で亡くなられた場合でも、英語ではシンプルに感謝を伝えれば十分です。
通夜・葬儀での例
- “Thank you very much for being here today to remember ◯◯. During the illness, your support meant a lot to our family.”
(本日は◯◯を偲んでくださりありがとうございます。闘病中にいただいたご支援に心より感謝申し上げます。)
火葬後の例
- “We deeply appreciate your prayers and kindness throughout ◯◯’s illness. Thanks to your support, ◯◯ could rest in peace.”
(闘病中にいただいた祈りとご厚情に深く感謝いたします。皆様に見守られ、安らかに旅立つことができました。)
精進落としでの例
- “Please join us in remembering ◯◯ as we share this meal together. Thank you again for your support.”
(ささやかな食事を共にしながら◯◯を偲んでいただければ幸いです。本日は誠にありがとうございました。)
喪主挨拶で失敗しないための注意点
- 病名や闘病の詳細を語りすぎない
- 「苦しみから解放」という表現は慎重に
- 感謝の言葉を中心に置く
- 30秒以内にまとめる
- 故人の名前を一度入れるとより温かみが出る
喪主挨拶のテンプレート(病気で他界されたケース向け)
基本形
「本日は故人◯◯のためにお集まりいただき、心より御礼申し上げます。闘病中は多くの励ましをいただき、家族一同深く感謝しております。皆様に見守られ、安らかに旅立つことができました。」
火葬後
「本日は最後までお見送りいただき、誠にありがとうございました。故人は病と闘いながらも、多くの方に支えられておりました。今後ともご厚情を賜れれば幸いです。」
精進落とし
「本日は◯◯のためにお時間をいただきありがとうございました。生前のご厚情に深く感謝申し上げます。ささやかな席ですが、故人を偲びながらご歓談ください。」
実際の体験談から学ぶ
- 60代女性(夫を病気で亡くした例)
「夫の闘病中、多くの方に支えていただきましたので、その感謝だけを伝えることにしました。短い挨拶でしたが、参列者から『心に響いた』と言っていただきました。」 - 40代男性(母を病気で亡くした例)
「母の病状について話そうとしましたが、途中で言葉が詰まりました。そこで『皆様に支えていただきありがとうございました』とだけ述べたら、それで十分でした。」
→ 病気に触れるよりも、感謝の言葉を中心にする方が参列者に伝わりやすいと分かります。
まとめ
病気で他界された方の家族葬の喪主挨拶は、詳細な説明よりも感謝を重視することが大切です。
- 宗教ごとの言葉を調整する
- 英語でも感謝を簡潔に伝える
- 病状より「支えへの感謝」を中心にする
- 短文でも十分に心は伝わる
例文やテンプレートを参考にすれば、安心して心のこもった挨拶ができます。
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