「経費」と「費用」という言葉、普段の会話やビジネスシーンで何となく使い分けているけれど、厳密な違いを聞かれると自信がない…そんな人も多いのではないでしょうか?
特に会社員や個人事業主にとって、どちらもお金の支出に関わる言葉ですが、文脈によって意味や使い方が異なります。
本記事では、「経費」と「費用」の違いをわかりやすく解説し、混乱しやすい場面や具体例を交えて紹介します。
正しく理解すれば、会計や日常会話でスッキリ使い分けられるようになりますよ。
「経費」とは?
定義
経費とは、業務や仕事を行うために必要な支出を指します。
特に税務や会計の文脈で使われ、売上を得るために直接・間接的に使ったお金が「経費」に分類されます。
具体例
- 交通費(営業先への移動)
- 交際費(取引先との会食)
- 通信費(電話・インターネット)
- 消耗品費(コピー用紙や文房具)
ポイント
- 「仕事で必要だから計上できる」というニュアンス
- 個人事業主やフリーランスは確定申告で「経費」を正しく申告することで課税額が変わる
「費用」とは?
定義
費用とは、お金が減ったり使われたりしたことそのものを表す広い概念です。
会計上は「収益と対応する形で発生するコスト」を意味します。
具体例
- 人件費
- 広告宣伝費
- 減価償却費
- 販売費および一般管理費
ポイント
- 「経費」を含む、より広い言葉
- 会計学では「収益獲得のために費やした消費」と説明されることも
「経費」と「費用」の違いを整理
項目 | 経費 | 費用 |
---|---|---|
範囲 | 主に業務関連の支出 | お金の支出全般を指す広い概念 |
文脈 | 税務・確定申告・日常業務 | 会計・経理・企業会計基準 |
例 | 交通費・交際費・消耗品費 | 人件費・減価償却費・販売費及び一般管理費 |
イメージ | 「経費で落とす」 | 「費用対効果」 |
使い分けで混乱しやすい場面
1. 日常会話での誤用
「これ経費で落ちる?」という表現は仕事上の支出に限定されますが、日常では「費用」と混同して使われることがあります。
2. 会計用語としての違い
- 「販売費および一般管理費」は費用の分類
- その中に「交際費」「通信費」など経費として計上されるものが含まれる
3. 個人事業主 vs 会社員
- 個人事業主:「確定申告で経費にできるか」が重要
- 会社員:「会社に費用がかかる」という表現はするが、自分が直接「経費」を計上することは少ない
正しい理解で得られるメリット
- 節税や申告の精度が上がる(特に個人事業主・フリーランス)
- 会計や経理の書類を読むのがラクになる
- ビジネス会話で混乱しにくくなる
まとめ
「経費」と「費用」は似ているようで実は使い分けが必要な言葉です。
- 経費=仕事に必要な支出(実務的な感覚)
- 費用=お金の支出全般(会計的な概念)
つまり「経費は費用の一部」と考えるとわかりやすいでしょう。
場面によってどちらを使うべきか意識すれば、日常でもビジネスでもスマートに使い分けられるはずです。