まず一言。
今「何もかも投げ出したい」と感じているなら、それはあなたの心と身体が「もう限界だよ」と教えてくれているサインです。
まずは自分を責めず、「今ここでできる小さな一歩」をいくつか一緒に整理していきましょう。
以下は現場で使える選択肢と具体的な考え方／実行プランです。
日本在住を想定した公的リソースも付けています。
0) 今すぐ読むべき — 危険を感じるときの最優先行動
- 「死にたい」「もう無理」などの強い衝動がある／自傷や自殺を考えている場合は、迷わず相談してください。電話で話すだけでも負担はかなり軽くなります。いのちの電話など24時間の相談窓口が使えます。いのちの電話+1
- 緊急性が高い（自分や他人の命に関わる）なら119または110に連絡してください。
（上記が該当しない場合も、不安が大きいときは下にある相談窓口を利用してください。）厚生労働省
1) ここから考える「短期（今〜数日）」の選択肢 — ダメージを小さくする
目的：まずは“心身の急性負担”を下げること。
- 今日は休む／早退する
→ 体調が最優先。無理に出社すると悪化します。休めるなら休みましょう（有給や病欠、半休の利用を検討）。 - とにかく誰かに「一言」伝える
→ 「今日は本調子じゃないので休みます」「ちょっと相談できる？」という短い一言で十分。負担を共有するだけで軽くなることが多いです。 - 外に出て5〜15分歩く／深呼吸
→ 即効性のある気分転換。深呼吸を3分間だけでも。 - 今すぐ専門相談に電話する（前項の相談窓口）。強い不安や孤独感がある場合は専門家に話すのが効果的です。厚生労働省+1
2) 職場で取れる現実的な選択肢（法律・制度に関する基本）
目的：仕事をいったん減らす・安全に離れる・待遇を守るための選択肢把握。
- 病気休暇・有給休暇の使用
→ まず会社の就業規則・有給の残日数を確認。病院受診の診断書で病気休職を申請できる場合もあります。 - 産業医・人事・上司に相談（職場内窓口）
→ 産業医がいる会社なら相談して労働時間短縮や業務調整の仲介を依頼できます。 - 休職制度の利用（病気休職）
→ 長期の治療や休養が必要な場合、休職制度（就業規則に基づく）が使えることがあります。 - 労働相談窓口へ相談（権利確認） — 労働基準監督署や総合労働相談コーナーで違法な長時間労働、パワハラ、未払い残業などを相談できます。無料で相談・助言が受けられます。厚生労働省+1
3)「辞める」前に検討しておきたい中期的選択肢（数週間〜数か月）
目的：急いで辞めず、経済的・将来的な負担を軽くするための選択肢。
- 職場内での異動／業務調整を申し出る
→ 役割変更や部署移動で状況が変わることがあります。 - 時短勤務や在宅勤務などの働き方変更を相談
→ 時短や在宅が可能なら一時的に負担を軽くできます。 - 休職→治療→復職を検討（医師の診断書が必要）
→ ハードですが回復のための有効な手段です。 - 転職活動を「在職中に」進める（収入を保ちつつ次を探す）
→ 在職中に転職活動を行うのが金銭的リスクは低いです。書類・面接は夜や有給で。 - 退職して失業給付（基本手当）を申請する場合の条件確認 — 失業保険や給付についてはハローワークで手続き・要件を必ず確認してください。自己都合退職と会社都合退職で給付開始・期間が変わります。ハローワーク+1
4) 辞める（退職）を選ぶときの準備（実務＋心の準備）
目的：辞めたあとに困らないように準備してから行動する。
A. 金銭面のチェック（最低限）
- 貯金の残高と生活費の目安（何か月分あるか）
- 家賃・ローン・保険・公共料金の直近支払いスケジュール
- 失業保険受給条件と給付開始までの待機期間についてハローワークで確認。ハローワーク
B. 退職のタイミング
- 業務の繁忙期を避ける、または引き継ぎ計画を立てる（人間関係・評価に配慮）
- 緊急度が高いなら即日退職もあり得るが、法的権利（未払い残業の請求など）を確認しておく。労働問題は労働基準監督署や総合労働相談で相談可能です。厚生労働省
C. 退職手続きの実務チェックリスト
- 離職票（必要）を会社に請求する
- 有給消化の調整（就業規則に従う）
- 退職日と最終出勤日、引き継ぎ資料の作成
- 健康保険・年金の手続き（国民健康保険や任意継続保険の検討）
5) 実際に話すときの「文例」とフレーズ（上司・人事・家族向け）
目的：言いにくいことを最小限のストレスで伝えるためのテンプレ。
上司に「相談」する（業務調整をお願いしたいとき）
「お時間いただけますか。最近体調（精神的に）が優れず、業務負荷の調整について相談したいです。具体的には××の期日を見直すか、△△を一時的に他の方にお願いしたいと考えています。」
上司に「退職の意思」を伝える（円満に）
「大事なお話がありまして……一身上の都合で退職を考えています。引き継ぎは責任を持って行いますので、退職日についてご相談させてください。」
人事（休職を申し出るとき）
「医師の診断で静養が必要と言われており、就業規則に基づく病気休職の手続きをしたいです。手続きに必要な書類や流れを教えてください。」
家族・親しい友人に伝える（助けを頼む）
「最近、本当にしんどくて……一人で抱えるより相談したくて連絡しました。週末に話を聞いてくれないかな？」
6) 決断を助けるシンプルな意思決定マトリクス
書き出してみると判断しやすくなります。以下はA4一枚でできる簡易版。
- 横軸：辞める（Yes / No）
- 縦軸：リスク（低〜高）
- 「辞めるメリット」「辞めるデメリット」「残るメリット」「残るデメリット」をそれぞれ書く。
- それぞれに「影響の大きさ（1〜5）」を付け合計を比べる。感情面（精神的負担）も必ず点数に入れる。
（判断の助けになりますが、最終的にはあなたの価値観＝「何を最優先にしたいか」 に基づいて決めてください。）
7) 7日間の行動プラン（実践例）
目的：感情が高ぶっている時に「沈める＋準備する」ための短期ロードマップ。
Day1（今日）：休む／相談窓口に電話（必要なら）。本当に必要な行動だけ。厚生労働省
Day2：家族や信頼できる友人に短く相談。金銭状況のメモを作る。
Day3：上司か人事に「面談希望」の連絡（業務調整の相談）。
Day4：医師受診（必要なら診断書取得）。休職申請の要件確認。
Day5：ハローワークや労働相談窓口で失業給付や労働権の簡単な確認（該当する場合）。ハローワーク+1
Day6：転職市場のリサーチ（在職中に探すか退職後に専念するか判断）。
Day7：決断のために「メリットとデメリットの合計点」を出してみる（上記のマトリクス）。その後、次の1歩を決める。
8) 精神的ケアと継続サポート
- カウンセリング：自治体窓口や職場EAP（Employee Assistance Program）が使えるなら活用を。公的な相談窓口一覧は厚労省の案内が便利です。厚生労働省+1
- セルフケア：睡眠・食事・運動の基礎は意外と効きます。まずは睡眠時間を1時間確保するなど“やれること”から。
- ピアサポート：同じ経験をした人の話を聞くと、選択肢の幅が広がります（転職コミュニティ、SNSの体験談等）。
9) すぐ使えるテンプレ（退職届／メール・例）
件名：退職のご相談（氏名）
本文：お疲れさまです。突然で恐縮ですが、一身上の都合により退職を希望しております。引き継ぎ事項等、詳細は面談でご相談させてください。お手数ですが、面談日をご調整いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
（面談で理由を詳しく話すかどうかはあなたの選択です。詳細を言う必要はありません。）
10) 役に立つ公的窓口（参考）
- こころの健康相談統一ダイヤル（0570-064-556） — 精神保健福祉センター等につながる窓口。厚生労働省
- いのちの電話（ナビダイヤル等／団体ページ参照） — 電話での相談窓口。いのちの電話
- 労働基準監督署・総合労働相談コーナー（都道府県労働局） — 労働問題の相談。厚生労働省+1
- ハローワーク（失業給付・求職手続き） — 離職票や給付の詳細は最寄りのハローワークで確認を。ハローワーク+1
最後に（心に留めておいてほしいこと）
- 「辞めたい」と感じる自分は弱くない。適応のために危険信号を出しているだけです。
- まずは今を安全にすること（休む・相談する）を優先してください。
